歌を上手く歌えるようになるには、まず「声が出る仕組み」を知りましょう。声が出る仕組みが分かれば、普段出している声や歌う時の声がどうやって出ているのかイメージできるようになります。
声を出す時にしっかりとイメージすることで、練習効率もグッと上がります!
ここまでが「声が出るまでの工程」になります。それでは次から1つ1つの工程をもう少し詳しく見ていきましょう。
肺は呼吸運動により酸素を取り入れ、二酸化炭素を排出しています。
これは普段誰もが意識をせずに行なっていることですが、じつは「胸式呼吸(きょうしきこきゅう)」や「腹式呼吸(ふくしきこきゅう)」など、様々な呼吸方法で動いています。
肺は自分で伸びることができないので、肋骨(ろっこつ)や横隔膜(おうかくまく)などの伸縮により膨らんだり、縮んだりしています。そして、どの部位を使って呼吸をしているかで「胸式呼吸」や「腹式呼吸」という名前が付いています。
では、どのような動きの違いがあるのか見てみましょう。
胸式呼吸は肋骨の動きを主体とする呼吸法です。
肋骨の間や、周りにある筋肉を使って吸気、呼気を行います。吸気時には肋骨が前上方へと移動し、肺が膨らみます。呼気時には肋骨が元の位置に戻り、肺も元の大きさに戻ります。
腹式呼吸は横隔膜の動きを主体とする呼吸法です。
横隔膜や腹筋周りの筋肉を使って吸気、呼気を行います。吸気時には横隔膜が下に移動し、肺が膨らみます。呼気時には腹筋が横隔膜持ち上げて元の位置に戻り、肺も元の大きさに戻ります。
胸式呼吸の場合は前後上下を肋骨に囲まれていますが、腹式呼吸の場合は横隔膜が下がって肺を下方向に膨らませることができるので、より多くの空気を取り込むことができます。
また、胸式呼吸の場合は肋骨周りの筋肉を使う際に、肩が上がったり、首周りに力が入りやすいので歌を歌う場合は腹式呼吸が良いとされています。
声帯は喉の中央部にある器官です。2つのヒダが合わさった形をしていて、ここから音を発生させることができます。(下図は声帯を頭上から見た図です。)
肺から送られてくる呼気を2つのヒダの間にあてる事で、上図の「声帯」と書いてある部分が振動して音が出ます。声帯の振動数が多いと高音、振動数が少ないと低音が出ます。
また、声帯から出る音を「喉頭原音(こうとうげんおん)」と呼びます。
喉頭原音にはほとんど個人差が無いと言われています。この事から声帯から発生した音をどのようにして出すかで、歌声が大きく変わることがわかります。
共鳴腔とは、身体の中で声が反響する空間のことを指します。
声帯で作られた喉頭原音が「咽頭腔(いんとうくう」、「口腔(こうくう)」、「鼻腔(びくう)」などの共鳴腔で響くことで、響の豊かな声や抜けの良い声を出すことができます。
声帯の上部、喉の中の空間を指します。声帯で作られた声(喉頭原音)はまず咽頭腔で響きます。
口の中の空間を指します。空間を狭く使ったり、大きく使ったりするのに目で見て確認ができるので、コントロールがしやすい共鳴腔です。
鼻の中にある空間を指します。「高音」、「な行」、「ま行」、「ん」を発声する際に響く共鳴腔です。
日本語は母音、子音を使って発音しています。ローマ字を使って表すと、母音と子音の関係が分かりやすくなります。
母音は「a(あ)、i(い)、u(う)、e(え)、o(お)」、子音は母音以外を指します。
例えば「か行」の場合は、ローマ字にすると「ka(か)、ki(き)、ku(く)、ke(け)、ko(こ)」となりますよね。ローマ字の左側にある「k」が子音、右側にある「a、i、u、e、o」が母音になります。
口腔内で呼気の流れがあまり妨げられないで発せれられる言語音。
口腔内で呼気の流れがある程度妨げられて発せれられる言語音。
上記のように分けることもできます。実際に発声する際に口のどの部分が動いているのか、どのようにしたら発音しやすいのか意識して練習してみましょう。
今回は「声が出る仕組み」を説明させていただきました。普段何気なく歌ったり、喋ったりする時に今回の流れを思い出してみて下さい。
息を吸って、吐いて、共鳴させて、口を動かす。
歌を歌う時も声を出す時もまずは意識して行うことから始めてみましょう。
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